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2022/11/19 18:37









今年の3月、佐賀の麦畑が並ぶ自然豊かな土地にある山下寛兼さんのアトリエを訪れました。







主に手捻りで作られる柔らかいかたち。
何度も施釉と焼成を繰り返すことによって生み出される質感は陶器とは思えない、有機的で生命体のような光を浴びた作品達があるというより、なんだか住んでいるという感じで。


静かに呼吸するように佇む作品たちは官能的で、とても美しいと感じました。










工場で寛兼さんがとても楽しそうにお話しされているのもとても印象的でした。
常に自分の声を自分自身が聴くことで
どうしたら楽しいのか、どうしたら心地良いのか、
それを素直に考えてできる作品だからこそ
形や質感は違えど、どの作品も寛兼さんが宿っていて
そこにらしさが生まれるんだと思います。
何度も施釉と焼成を繰り返すことによって生み出される陶器とは思えない質感と造形。

技術的なものだけではなく、そのプロセスを楽しむものづくり。
そこには目に見えない喜びや幸せが宿り
それが人が手に取った時に温もりとして感じられるのではないかと思います。






寛兼さんがターンテーブルを回しながらお話しされた
どこからみても違う形。
正面も裏もなく、受け手に委ねる余白のある作品は
白でも黒でもなく中間の、そこから広がる世界に美を見つけるような感覚は
能動性や想像性を喚起させるような気がしていて、
私がphysisで大切にしている要素と重なりました。



寛兼さんに作品をつくる過程が気になり、ひとつ質問をしてみました。


physis井上)  
寛兼さんの作品は泥団子をこねるように手を動かしながら作っていくのが1つの特徴だと思いますが、
作品として、どこを完成にするのか、形が生まれる源のようなところが気になりました。
これで完成!と寛兼さんの中で思う瞬間はどこにあるのでしょうか?
何か頭の中で想像しているものなどはありますか?
感覚的に作られている部分もあるかと思いますが、何かもし言語化できるものなどあれば教えていただきたいです。



山下寛兼さん)
土玉作りは2通りのアプローチで制作します。

1.完成形を考えずに、土を触りながら面白い形を探りながら形作っていきます。

2.1の中で興味深い形、作り方等があれば、それに寄せていきながらも、又違ったバリエーションを探りつつ制作します。

作品完成、手を止めるタイミングの話しですが、その時の感覚なので言語化するのは難しいですね。
完成の決まり事が、自分の中であるわけでないので、色々なものの影響を受けながら、流れやリズムみたいな感じですかね?

あと、自分のものづくりは視覚と触覚の支配度、優先度が高いとは思います。
テクスチャやフォルムやサイズ等は、その影響を受けていると思います。



たくさんの情報が手に入り、ついつい頭で考えてしまうことも多く、自分の中にある感覚の部分を信じることってとても難しいですよね。

日々見るもの、使いもの、出会う人や動物、香り、、、全ての要素がその人を形成し、
その人の言葉には表せない感覚となってゆく。





自分の中にある美しいと思う気持ち。
日々自分の声や感覚に素直に、大切にしたいと寛兼さんとお話していると思います。



そしてその人をつくってゆく日々見るもの、使うものに寛兼さんの作品がいるといいなと私は思うのです。
陶器に今まで目を向けたことがなかった、そんな方にも、陶器やアートが大好きな方にも
この2週間、寛兼さんの作品を通して自分の中にある美と向き合って、見つけていただけますと幸いです。







今回はオブジェのような作品から、シェードや花器、日常使いできる器など様々な作品が並びます。
寛兼さんの手から生まれるかたちや質感の面白さをより感じていただけるラインナップでお待ちしております。
23.27日は作家の寛兼さんも在廊予定です。



遠方の方にも楽しんでいただけるよう、オンラインにも掲載予定です。



山下寛兼 Hirokane yamashita

プロフィール

1973 福岡生まれ
1997 武蔵野美術大学建築科 卒業
2000 福岡県糸島『 さわ弥土工房』にて作陶を始める 横尾純氏に師事
2004 佐賀市久保田町にて工房を構え作陶 現在に至る